第1条 [公式試合]
公式試合とは、全日本学生キックボクシング連盟(以下「連盟」)が主催する試合をいう。
第2条 [公式記録]
公式試合におけるすべての記録は公式記録として連盟に保存される。
第3条 [医学的適格性]
選手は医療機関において、心電図検査、血圧測定、頭部CT検査を受け、異常がないことを医学委員会により証明されなければならない。
第4条 [競技的適格性]
選手は競技規則の理解度を図るための筆記審査と競技を行うための基礎技術を判断するためのスパーリング審査に合格しなければならない。
第5条 [参加条件]
選手、セコンド、役員は連盟に会員登録された者、または連盟が認めた者でなければ試合に参加することができない。
次の場合は出場資格を失う。
1,連盟より競技者たる資格を停止、または剥奪された者。
2,所属大学より停学その他の処分を受け、処分期間中の者。
3,連盟登録初年度から4年経過した者。
4,プロテストを受験、もしくはプロ興行に出場した者。
第6条 [会員の義務]
会員は本連盟主催競技をいかなる競技よりも優先しなければならない。
会員は競技運営に関して、競技役員と学連委員の指示に従うこと。
第7条 [階級と体重]
試合は以下の階級、もしくは選手間の契約体重に従い行う。
・アトム級 42kg超~45Kgまで(女子のみ)
・ストロー級 45Kg超~48Kg まで(女子のみ)
・フライ級 48Kg超~51Kgまで
・バンタム級 51Kg超~54Kgまで
・フェザー級 54Kg超~58Kgまで
・ライト級 58Kg超~62Kgまで
・ウェルター級 62Kg超~67Kgまで
・ミドル級 67Kg超~73Kgまで
・ライトヘビー級 73Kg超~80Kgまで
・ヘビー級 80Kg超~
第8条 [リング]
リングは、つぎの条件を備えていなければならない 。
1,ロープの内側は、4,9メートル平方以上、6,1メートル平方以内であること。
2,フロアーは水平で厚さは原則として6.3センチ以上のフェルトもしくは畳または同じ程度 の柔らかい下敷きを置き、その上をキャンバスで覆うこと。
3,リングは3本ないし4本のロープを強く張り、ロープの角にパットをあてがうこと。
4,ロープの外側のプラットホームは46センチ以上の幅をもつこと。
5,赤と青のコーナーを向かい合って設けること。 6,リングの高さは、建物の床または地面より1.22メートル以内とすること。
第9条 [リング付属品]
以下のリング付属品を競技開始の1時間前までに用意する。
1,ゴング
2,うがい用の容器2個
3,競技役員用の椅子とテーブル
4,ジャッジ用机イス
5,ストップウォッチ2個
6,スピーカーに接続されたマイク2本
7,各コーナーに選手・セカンド用の椅子3脚
8,担架1台
第10条 [グローブ]
1,グローブは連盟の検定があるものを使用しなくてはならない。
2,選手はそれぞれのコーナーの色に応じて、赤または青のグローブを着用しなくてはならない。
3,グローブは連盟が用意し、審判員が検品しなければならない。選手所有のグローブの着 用は認められない。
4,グローブの詰め物を偏らせたり、凹ませたりしてはならない。
5,グローブの重さはU-1ルールの場合、バンタム級までは8オンス。ライト級までは10オンス、ウェルター級以上は12オンスグローブを使用する。U-2ルールとU-3ルールは全階級14オンスグローブを使用する。
第11条 [バンデージ]
1,バンデージは連盟検定品のウイニング製VL-H10を使用しなければならない。
2,選手はバンデージ装着後、競技役員の検査を受けなければならない。検査後に巻き直したりしてはならない。
3,バンデージの内部に異物を巻き込んではならない。
4,バンデージ以外に、テープ、ゴム、絆創膏など、いかなるものも手に付けてはならない。
第12条 [マウスピース]
マウスピースはカスタムメイドのみ使用を認め、市販のものの使用は認めない。赤色及び赤系統の色が含まれるマウスピースの使用は禁止する。
第13条 [プロテクター]
1,連盟認定のヘッドガード(U-2,U-3)、レッグガード(U-2,U-3)、ニーパッド(U-2,U-3)、ボディプロテクター(U-3)を使用しなくてはならない。
2,競技者はそれぞれのコーナーの色に応じて、赤または青のプロテクターを着用しなくてはならない。
3,男子はノーファウルカップ(金属製)を、女子はアブスメントガードを着用しなければならない。
第14条 [服装]
1,選手は大学指定のトランクスを着用しなければならない。企業名、企業ロゴ、企業広告などの入ったトランクスの着用は禁ずる。
2,選手は指輪、ネックレス、ピアスなどの貴金属やパープラチアット(腕輪)など、ルールで規定されている装備品以外のいかなるものも身につけてはならない。
第15条 [コンタクトレンズ]
1,選手はソフトコンタクトレンズを装着して競技を行うことができるが、その他のコンタクトレンズは使用することができない。
2,選手がソフトコンタクトレンズを装着して競技する場合、選手手帳・メディカルチェックシートにその旨を記載し、メディカルチェックの時に医師に申し出なければならない。
3,競技中にソフトコンタクトレンズを失った場合。
イ、選手が競技を続行することを受け入れれば試合は続行される。
ロ、選手が競技の続行を拒否した場合は、相手選手がTKO勝ちになる。
第16条 [ワセリン・オイル]
選手は顔にワセリンを塗ることが認められる。ただし、審判員が最小限と認めた量に限る。身体にオイルを塗ることは認められない。
第17条 [テーピング、サポータ]
原則として、いかなる部位へのテーピング、サポーター(アンクルは除く)の着用は認められない。ただし、ケガ等によりテーピング、サポーターが必要な場合は審判員、ドクターの判断により認められることがある。
第18条 [計量]
1,すべての公式試合において、選手は競技当日、連盟が指定した時間に、連盟が指定した場所へ出頭し、競技役員立ち会いのもと行われる計量を受けなければならない。
2,計量開始時間に集合していない選手は失格となる。
3,計量は選手と同性の役員が執り行う。その他の者は計量に介入できない。
4,公式計量は水着か下着を着用して計量するが、必要であれば全裸で計量することを選手
は選ぶことができる。
5,選手の公式計量は1度だけである。
6,計量では、階級の上限・下限とも体重を満たさなくてはならない。
7,計量器は、検定を受けた50g単位以下の電子体重計を使用する。
8,公式計量の1時間前から予備計量を行うことができる。
9,選手は試合当日、医学委員会より競技に適しているとの証明を記載された選手手帳を所持
していない場合、失格となる。
10,対戦相手が欠場した場合でも計量に合格しなければ失格となる。
第19条 [メディカルチェック]
選手は計量後に医師によるメディカルチェックを受け、試合出場可能な健康状態であると確認されなければならない。また、試合後にも医師によるメディカルチェックを受け、異常がないか確認されなければならない。
第20条 [試合ラウンド数]
公式試合のラウンド数は、U-1ルールは3ラウンド、U-2ルールは2ラウンド、U-3ルールは1ラウンドとする。
1ラウンドの時間は3分間とし、各ラウンドの間に1分間のインターバルを置く。
第21条 [採点基準]
採点は次の順に評価される。
1,相手から奪ったダウンの数。
2,有効打により相手に与えたダメージ度。
3,相手に防御されずにクリーンヒットした数。
4,アグレッシブ度。ただし、加撃を伴わない突進は認められない。
第22条 [採点方法]
採点は10ポイントマストシステムに基づいて行われる。
試合内容に従って、原則として次の3段階を基準とする。
10対10 互角のとき
10対9 一方が優勢であるとき
10対8 ノックダウンまたはこれに近い状態になったとき
第23条 [試合の判決]
試合の審判員は、4人制(ノンスコアリングレフェリー及びジャッジ3名)または3人制(スコアリングレフェリー及びジャッジ2名)で行われる。各審判員は勝敗の決定に対しては平等に1票を有する。
2票以上獲得した選手を勝者とし、他を敗者とする。2票に達しないときは引き分けとする。
勝敗の決定は次の各号に定める8種類とする。
1,判定
イ、最終ラウンド終了後、審判員の採点結果によって勝敗が決定した場合。
ロ、偶発的なアクシデントによる負傷、或いはダメージにより、一方または双方の選手が試合続行不可能になった場合、2R以降ならばそのラウンドまで含めた採点で2票以上獲得した選手を勝者とし、他を敗者とする(負傷判定)。
ハ、トーナメントにおいて同点の採点をしたジャッジは必ずどちらかに優勢点をつけなければならない。この優勢点を(多く)取得した選手が勝者扱いになる(優勢判定)。
2,ドロー(引き分け)
イ.ジャッジの採点が双方2票に達しなかった場合。
ロ.両者が同時にダウンし、双方とも10秒以内に立ち上がれない場合。
ハ.選手が偶発性の負傷により試合続行が不可能と判断され、1ラウンドを終了してい ない場合。
3,ノックアウト(KO)
イ.ダウンして10秒以内に立ち上がれない場合。もしくはダメージが大きく10秒以内に立ち上がれないとレフェリーが判断した場合。
ロ.ダウンして10秒以内に立ち上がっても、ダメージが大きく試合続行は不適当とレフェリーが判断した場合。
ハ.1試合中に2度のダウンをした場合。
ニ、ラウンド開始後10秒を経過しても試合をしない場合。
4,テクニカルノックアウト(TKO)
イ.有効打によるダメージで、これ以上試合続行は不適当とレフェリーが判断したとき。
ロ、実力に格段の差があって、一方の選手が甚だしくダメージを被って試合を停止したとき(ワンサイドゲーム)。
ハ、ラウンド進行中、セコンドがタオルを振り回し、棄権の意思表示をしたとき。
ニ、インターバル中にセコンドが棄権を申し出て、レフェリーがこれを認めたと
き。
ホ、レフェリーが選手の安全管理のため試合を中断し、ドクターが医学的見地から試合停止をレフェリーに進言し、レフェリーがその判断を受け入れて試合を停止したとき。
ヘ、コンタクトレンズが原因のアクシデントにより試合続行が不可能となったとき。
5,失格
イ、 反則行為によりレフェリーが失格を命じたとき。
ロ、 1ラウンド中に減点が3になった場合。
ハ、計量開始時間に集合していない場合。
ニ、計量の際に選手手帳を持参していない場合。
ホ、決められた体重の範囲を超過した場合、または下回った場合。
ヘ、選手紹介のアナウンスがされてもリングに登場しない場合。
6,不戦勝
イ、
相手選手が計量時間に集合していない場合。
ロ、
選手紹介のアナウンスがされても選手がリングにに登場しなければ相手選手の不戦勝となる。
ハ、
相手選手がメディカルチェックや計量で失格になった場合。
ニ、
相手選手が計量の際に選手手帳を持参していない場合。
7,反則勝ち
相手選手が反則行為によりレフェリーより失格を命じられたとき。
8,ノーコンテスト(無効試合)
天変地異、リングの破損、照明の故障など不測の事故により、試合続行不可能とレフェリーが認めた場合や双方がルール違反を犯したり、馴れ合い試合を行ったと認められた場合、またはレフェリーがが再三注意、警告しても真剣に試合を行わず、レフェリーが双方に失格を宣した場合。
第24条 [チャンピオントーナメントルール]
1,チャンピオントーナメントを実施する階級は、フライ級、バンタム級、フェザー級、ライト級、ウェルター級、ミドル級の6階級とする。
2,チャンピオントーナメントは、当該階級のエントリーが2人以上になった場合、これを認める。またエントリーの上限人数は1階級8名とする。8名を超えた場合は連盟委員会にて協議の上、8名を選出する。
3,引き分け(ドロー)の場合は公式記録は引き分けとなるが、次戦進出者またはチャンピオンを決定するために優勢判定を行い勝者扱いを決める。
4,選手が偶発性の負傷により試合続行が不可能と判断され、1ラウンドが終了していない場合、または、ダブルノックダウンで試合が終了した場合、公式記録は引き分けとなるが、試合続行が不可能になった時点までの試合内容、マナー(態度、振る舞い、身だしなみ)、セコンドのマナーの順で勝者扱いを決める。
第25条 [反則]
次の各号を反則とし、これを禁止する。
1,顔面への膝蹴り。
2,肘打ち。
3,バックハンドブロー。
4,グローブのナックルパート以外での攻撃。
5,相手の蹴り足を掴むこと。
6,下腹部への攻撃。
7,サミング。
8,噛み付き。
9,頭突き。
10,背面への攻撃。
11,投げ技。
12,締め技。
13,関節技。
14,ロープを不正に使用すること。
15,倒れている相手または起き上がろうとしている相手への攻撃。
16,相手のベルトラインより下に頭を下げること。
17,足をかけて相手を押し倒すこと。
18,故意にマウスピースを吐き出すこと。
19,故意に相手をリング外に落とすこと。
20,ラウンド中の握手(グローブを合わすこと)。
21,試合装備品の不備。
22,試合中に声を発すること。
23,レフェリーにより競技上不適切であると判断された行為。
第26条 [ダウン]
選手が次の各号の状態にある場合はダウンとみなす。
1,相手選手の有効打により足の裏以外の身体の部分がリングの床に触れているとき。
2,ダメージを受け、レフェリーが危険と判断した時、選手が倒れていなくてもダウンを宣告する場合がある(スタンディングダウン)。
3,相手選手の有効打により身体の半分以上がロープの外側に出たとき。
4,ダメージがなくても、選手が倒れて速やかに立ち上がれないとき、レフェリーの判断により、ダウンとなる場合がある。
第27条 [セコンド]
1,セコンドは所属大学の学生、OB、または、大学に登録された指導者でなければならない。
2,1人の選手に許されるセコンドは3名までとし、うち1名をチーフセコンドとする。
3,セコンドは次の事項を守らなければならない。違反した場合は、注意、警告が与えられ、従わない場合はコーナーからの退去を命じられ、そのセコンド側の選手が失格させられる。
イ、セコンドは試合中、指定された場所に待機しなければならない。
ロ、セコンドは試合中、ロープやエプロン等に手を触れてはならない。
ハ、インターバル中にリング内に入ることができるのはチーフセコンド1名のみとする。
ニ、セコンドはラウンド中にリングに入ってはならない。また選手に触れてはならない。違反した場合、選手は失格となる場合がある。
ホ、ラウンド中にリングの各コーナー周辺に、物を置いてはならない。
ヘ、ラウンド開始の10秒前に「セコンドアウト」とアナウンスされたら、持ち込んだ用具とともに速やかにリング外に出なければならない。
ト、セコンドは大学名の入ったチームウェアを着用し、運動靴を履かなければならない。
チ、セコンドは、試合進行上、紛らわしい言動をしてはならない。
リ、ラウンド中にセコンドは選手のためのタオルを保持していなければならない。
ヌ、セコンドはラウンド中にエプロンに上がりタオルを振り回すことによって棄権することができる。
第28条 [安全管理責任者]
1,安全管理責任者は、OB、監督、部長、顧問など、選手の所属大学の指導的立場にある者とする。学生は認められない。
2,試合中はセコンドとは立場を異にし、選手の健康管理、安全管理を第一に考えタオルの投入の指示をセコンドに与えることができる。
3,試合中は所定の位置につき、試合全体を監視しなければならない。
4,安全管理責任者は安全管理責任者会議に出席しなければならない。
第29条 [審判員]
1,審判員とはレフェリーおよびジャッジのことをいう。
2,審判員はキックボクシングに精通し、本ルールを熟知して、中立公正な立場を守り、的確な処置および判断ができる者でなければならない。
3,審判員は必要に応じて会合し、ルールの解釈やルールに規定されていない問題等について話し合い、審判技術の向上に努めなければならない。
4,審判員は連盟の許可がなければ、当日出場する選手のセコンド、コーチなどを務めたり、連絡を取ったりしてはならない。
5,試合の審判員リストは審判委員会が作成する。
第30条 [審判員の服装]
1,
審判員は白の長袖ワイシャツ、黒色のスラックス、黒色のソックス、黒色の靴および黒の蝶ネクタイを着用しなければならない。
2,
眼鏡、時計、指輪、その他一切の金属類を身に付けてはならない。
3,コンタクトレンズの使用は認められている。
第31条 [レフェリー]
レフェリーは公式試合における唯一の裁定者であり、リング内において試合を管理、支配し、かつ指揮、命令するする全権を有する。
レフェリーは試合が本ルールを遵守して公平に実施されていることを厳格に観察しなければならない。
レフェリーは安全管理を第一に考え、ダメージを負った選手が相手選手から不当かつ不必要な加撃を受けないよう保護しなければならない。
試合中、レフェリーに助言等ができるのは、審判員およびジュリーとする。
レフェリーは以下の権限を持つ。
1,試合が一方的な場合は試合を中止し、勝敗を宣言できる。
2,負傷その他の理由で試合続行不可能と認めた場合は、直ちに試合を中止し勝敗を宣言できる。
3.ダウンを奪った選手がレフェリーの指示に従わず、ニュートラルコーナーへ退かない場合はカウントを中断することができる。
4.選手およびセコンドが審判員に対し不適切な言動があった場合、試合を中断し注意することができる。また、不適切な言動をした者の所属大学に処罰を与えることができる。
5,反則を犯した選手に対し次の通り「注意」「警告」「減点」「失格」を命じることができる。
イ.「注意」および「警告」に対しては口頭で指示し、「減点」に対してはイエロー
カードを提示し、「失格」に対してはレッドカードを提示する。
ロ.1ラウンド中に、注意2回で警告1となり、以後は即警告が与えられる。警告2で減点1とし、1ラウンド中に減点が3になると失格になる。
ハ.反則の内容により、1回目で「減点」「失格」となる場合もある。
ニ、レフェリーが目視確認できなかった場合、ジャッジの意見を聞くことができる。
6,レフェリーは試合進行に関し次の処置をとらなければならない。
イ、選手の服装、クローブ、マウスピース、ノーファールカップ、プロテクターなどが正しく整備され、違反のないことを確認する。
ロ、試合前に選手、ジャッジ、ドクター、タイムキーパーが適切な位置にいるか確認する。
ハ、両選手をリング中央に招き、ルールの通告、注意、特に守るべき反則事項を説明し、握手(グローブ合わせ)をさせたのち、両コーナーに退かせセコンドがリング外に出たことを確認したのちに、タイムキーパーに試合開始の合図をする。
ニ、レフェリーは両選手を結ぶ線と二等辺三角形の頂点に位置して観察し、両者の間を横切ってはならない。
ホ、試合中、レフェリーは次の6つの用語を用いて試合進行を図る。
「ストップ」試合の中断、中止を命じるとき。
「ファイト」試合の開始、続行、促進を告げるとき。
「ブレイク」クリンチを解くとき。
「ダウン」ダウンを告げるとき。
「スリップ」スリップダウンを告げるとき。
「タイムストップ」タイムキーパーに計時の停止を命じるとき。
7,レフェリーは反則行為に対し、必要に応じ試合を一時中断して、合図または身振りで「注意」「警告」を与えなければならない。ただし、軽度の違反行為にはなるべく試合を中断せずに注意する。ブレイクを命ずるときやインターバルを利用するとよい。
8,レフェリーは試合中の選手が負傷した場合、ドクターをリング上に招き、診断を受け、負傷の程度をきき、その意見を参考に試合続行の可否を決める。
9,レフェリーは試合中ダウンがあった場合、ダウンを奪った選手を2つのニュートラルコーナーのうちダウンした選手から遠い方を指示して退かせ、タイムキーパーのカウントに合わせ、ダウンした選手にわかるように、指で示しながら、1秒毎に大きな声でカウントしなければならない。カウントアウトの場合は両手を高く上げて左右に交差することを繰り返し試合終了を告げねばならない。
10,選手がダウンした場合、必ず8までカウントしなければならない。
11,双方のボクサーが同時にダウンした場合、その一方がダウンしている間はカウントを続ける。双方の選手が10秒以内に立ち上がれないときは引き分けとなる。
12,試合中に選手が相手の反則行為以外でリング外に落ちた場合は、直ちにカウントを開始し、10秒以内に自分の力でリングに戻らないときはノックアウト負けを宣する。
13,レフェリーはインターバル中に、選手に次のラウンドが何ラウンドかを通告しなければならない。
14,試合終了後、レフェリーは速やかにジャッジペーパーを回収し、ジュリーに提出する。その後、レフェリーはリング中央に両選手を招き、レフェリーを中央にして1列に並ばせる。
15,アナウンサーにより勝敗が読み上げられたら、レフェリーは勝者の片手を持ち上げて勝者であることを表示する、引き分けの場合は、両選手の手を持ち上げて引き分けであることを表示する。
第32条 [ジャッジ]
1,ジャッジはリングサイド最前列中央に向かい合って着席し、ルールに従い冷静かつ厳選中立な採点を行い、ジャッジペーパーに記入する。
2,レフェリーから質問があれば答え、インターバル中に進言があれば伝える。
3,ジャッジは反則やフェアでない行為を、独自に判断して採点の評価に加えることができるが、レフェリーから通告された減点については、批判の余地なく必ず採点に加えなければならない。
4,ジャッジはレフェリーを補佐してセコンドのルール違反に対し警告を与えなければならない。また、ラウンド進行中と否とに関わらずレフェリー、審判員以外とは話をしてはならない。
第33条 [ジュリー]
1,
公式試合には必ずジュリーをおく。ジュリーを務められるのは競技委員長または競技委員長が任命した者でなければならない。
2,
ジュリーはジャッジペーパーを点検し、得点の計算や選手の氏名、所属大学、勝者の記入、ジャッジの署名などを確かめる。
3,
ジュリーは判定の結果をアナウンサーに伝える。
4,
レフェリーが明らかに競技規則に違反した決定を行ったとき、また、ジャッジがジャッジペーパーに間違った記載をしたとき、ジュリーは訂正について指示する。
5,
ジュリーは劣勢な選手が不必要な打撃を受ける危険性のあるとき、また、セコンドがタオルを振り回しているのにレフェリーが気づかない場合、レフェリーに試合の中止を勧告することができる。
6,
正常な状態で試合ができないような事態が起こったり、レフェリーが任務を続けられないとき、ジュリーは試合が再開できるまで中止にすることができる。
第34条 [アナウンサー]
アナウンサーによるアナウンスされた事項はすべて公式のものとする。
アナウンサーは明確なアナウンスによって試合の進行を円滑に行う。
アナウンサーは次の事項を守らなければならない。
1,試合開始に先立ち、両選手のクラス、大学名、学年、氏名ならびに試合役員の氏名をアナウンスする。
2,各ラウンド開始前にラウンド回数をアナウンスする。
3,ラウンド開始10秒前に「セコンドアウト」をアナウンスする(第1ラウンドは除く)。
4,試合終了後、採点の結果およびタイム、勝者の氏名、内容をアナウンスする。
5,1ラウンド終了後のインターバル中に、選手の氏名、大学名、学年、戦績などをアナウンスする。
第35条 [タイムキーパー]
タイムキーパーは、リングサイド最前列に着席し、正確なストップウォッチによりすべての計時を厳正に行う。タイムキーパーは次の事項を守らなければならない。
1, ラウンド開始10秒前に「セコンドアウト」のアナウンスをアナウンサーに指示する。
2, レフェリーの「タイムストップ」のコールと共に計時を一時停止し、レフェリーの「ファイ
ト」というコールと共に計時を再開する。
3, ダウンが認められたときは、レフェリーに聞こえるようにカウントをとる。
4, ノックアウト、テクニカルノックアウト、失格、ノーコンテスト等のタイムをアナウンサー
に伝える。
5, ノックアウトタイムはカウント終了の時刻とすること。
第36条 [ゴングオペレーター]
ゴングオペレーターは、リングサイド最前列に着席し、次の事項を守らなければならない。
1, 各ラウンドの開始および終了をゴングによって知らせること。
2, レフェリーのダウンカウントの最中に3分が経過してもラウンド終了のゴングは鳴らさず
カウントを続けさせ、カウント10にいたらず選手がファイティングポーズを示し、レフェリーが「ファイト」のコールをしたとき、はじめてラウンド終了のゴングを鳴らす。
第37条 [ドクター]
ドクターはスポーツ医学に明るく、キックボクシングの技術やルールに精通している、連盟が認めた医師でなければならない。
試合中、ドクターは自己の判断によってレフェリーおよび試合役員に試合の一時中断または中止を勧告することができる。
ドクターは次の事項を守らなければならない。
1,
選手のメディカルチェックを行い、試合出場の可否を試合役員に進言する。
2,
試合中はリングサイド最前列に着席し、レフェリーの要請があれば負傷した選手の診断を行い、試合続行の可否を試合役員に進言する。
3,
試合が終了した選手のメディカルチェックを行う。
第38条 [握手]
選手は第1ラウンドの始まる前(レフェリーの注意を聞き終えた直後)と勝敗が決定・発表された後に、スポーツマンらしく握手をしなければならない。ラウンド中はその他のどんな握手も禁止する。
第39条 [改廃]
この競技規則の改廃は、競技委員会にて原案を作成し、理事会の決議を経て行う。
2024年 5月26日改訂
2022年11月20日改訂
2021年 8月11日改訂
2019年 9月 2日改訂
2019年 7月14日改訂
2019年 2月 1日改訂
2015年 7月 5日 改訂
2010年12月12日改訂
2010年 4月18日 改訂
2009年12月13日改訂
2009年 1月 3日改訂
2007年12月 2日 改訂
1973年12月 2日施行
【試合結果】
同点の場合は以下の優先順位とする。